【NESTA副代表齊藤邦秀さんに聞く】パーソナルトレーナー代表資格NESTAはどのようにして誕生した?
なんと今回は、NESTAJAPANの副代表であり、創立メンバーでもある齊藤さんにインタビューを行いました!
なぜNESTAというトレーナー教育機関が誕生したのか?、NESTAの資格は他の資格と何が違うのか?
他のサイトではなかなか掲載されていない情報を沢山伺うことができたので、
これからパーソナルトレーナーを目指そうと考えている方、NESTAの資格取得を考えている方がはぜひ参考にしてください。
二部構成に分けてお届けします!
1章 : 【NESTA副代表齊藤邦秀さんに聞く】パーソナルトレーナー代表資格NESTAはどのようにして誕生した?
2章 : スキルアップに最重要!?解剖学の知識を深められるNESTAのファンクショナルアナトミー資格とは
Contents
齊藤さんのプロフィール
齊藤 邦秀 (さいとう くにひで)
・NESTA(全米エクサイズ&スポーツトレーナー協会)副代表
・有限会社Wellness Sports代表
NESTAJAPANの創業メンバーであり、副代表。
32歳で独立後アスリートだけでなく一般の人向けにもパーソナル指導を始める。日本のパーソナルトレーナーの先駆者。
「パーソナルトレーナーの原点」NESTA創設の歴史
齊藤さん、本日はどうぞよろしくお願いします!
よろしくお願いします!
早速、NESTAとはどのような協会であるか、協会の理念や活動内容の紹介を聞かせて頂ければと思います。
NESTAとは、アメリカを本拠地として1992年に設立されたパーソナルトレーナーの資格認定協会です。
National Exercise & SportsTtrainers Associationの頭文字を取って名付けられました。
フィットネス業界で活躍するプロフェッショナルとしての人材育成を中心に行っており、「社会の“元気”に貢献する」ということを理念としております。
アメリカが本拠地なのですね!
そもそも、なぜNESTAという協会が誕生したのでしょうか?
NESTAの誕生はトレーナーという職業が生まれた背景から話さなければいけないので、順を追って説明しますね!
現在トレーナーと呼ばれている仕事は、もともとはアメリカの4大メジャースポーツの野球、バスケットボール、アイスホッケー、アメリカンフットボール選手の健康管理サポートをしていた人達が原点となっています。
当時は、選手が怪我をしたらまず病院で医師に見てもらい、その後リハビリをする為に理学療法士さんにかかります。
最後に、選手を復帰までサポートをしたり怪我を予防する人達、すなわちアスレチックトレーナーがいましたが、それが現在のトレーナーの起源なのです。
トレーナーの始まりはアスレチックトレーナーからだったのですね!
そうです。
そこから1970年台からだんだんと「フィジカルを高め、怪我を予防することが大切だ」という考えが深まり、「ストレングス&コンディショニング」がわかるトレーナーを育成する土台が出来上がっていきました。それが「NSCA」です。
まずはNSCAが教育機関として設立されたのですね。
はい。しかし当初はまだ競技スポーツをしている人やアスリートをサポートするための知識と教育という色が強かったのです。
ただ、だんだんと、一般の方でもボディメイクの需要があったり健康への関心も高まってきていたため、一般の方へも運動と健康指導ができる人材を育成したいという背景があり、資格機関として1992年にNESTAが創設されたのです。
NESTAは一般の方へもフィットネスや健康知識を広める目的があって設立されたのですね。
齊藤さんはNESTAJAPANの創立メンバーなのですよね?
そうです!良いものは世界に広めたいという想いと、トレーナーという職種を一生の職業にできる人を増やすという目的から日本で設立されました。
当時の日本のトレーナーの育成の仕方はどのようなものだったのでしょうか?
フィットネスクラブなど各自で独自のカリキュラムが作られて育成が行われていました。
しかし、内容はセラピスト系のものだったり、治療院や整体なのか区別がつかないものも多く、「トレーナーの学ぶ領域はこれだ!」というスタンダードなものがありませんでした。
また、身体や運動の知識を付けたものの、それをどのようにビジネスラインに乗せて成長させていくのか、というノウハウがなかったため、トレーナーとして一生食べていくという人も少なかったような気もします。
トレーナーの資格がまだメジャーでなかった当初は、どのような要素でパーソナルトレーナーの技術を測っていたのでしょうか?
トレーナーの評価は結果ベースでした。
クライアントがアスリートであれば選手の大会結果とかですね。あとは筋肉があって見栄えの良いトレーナーはメディアで取り上げられるので、そういった面も評価される要素でした。
自分の技量実力を証明することが難しそうですね。
当時、資格が無いことが故に起こっていた課題があれば教えて下さい。
「治療」というのは医療従事者でしか使えないような言葉なのですが、そういった言葉を使ったグレーなトレーナーがいたり、別の軸での問題としては異性の身体を触るのでセクハラ的な問題もありましたね。
資格ができたことによって、トレーナーの技術や知識レベルにどのような影響を与えられるようになったと思いますか?
パーソナルトレーナーに必要な「知識技術系」「コミュニケーション」「ビジネス」の部分が、ばらついてたものが国内で標準化された感覚がありますね。
NESTA-PFT資格とはどんな資格?
NESTA-PFTは、どのようなことを学べる資格なのか、他の資格との違いを踏まえて簡単にご紹介をお願いします。
ひとことでいうと、NESTA-PFTとは、パーソナルトレーナーに必要な「知識技術系」「コミュニケーション」「ビジネス」のが3本柱を満遍なく学ぶことができる資格です!
カリキュラムに、ビジネスという他の資格にはない項目があると思いますが、この項目を追加した意図は何でしょうか?
雇われるだけがトレーナーの仕事の形ではないということを学んでほしいためです。
長らく日本の考え方としては「雇われる社会」できていますよね。
高度経済成長時代を生きてきた団塊の世代とは違って、今の若い世代の皆様は古い世代の生き方だけだとやってけないと思います。
たしかに最近は個人事業主といわれるフリーランスのトレーナーも増えていますね。
そうですね。
そういった背景もあり、一事業主として独立する際に「独立には何が必要か」「自分をどのようにブランディングするのか」「どのような要素が必要なのか」という要素であったり、ジムを開業するのであれば、「どのように起業するのか」「人を雇う時には何が必要なのか」ということをカリキュラムで学べた方が、トレーナーとして生きていく道が明確に広がると思うのです。
カリキュラムも時代と共に進化していくのですね。
では、そういったカリキュラムやプログラムの内容更新頻度を教えて下さい。
カリキュラムの更新頻度は、数年に1回アメリカの本部と併せて行います。
日本でも追加する必要がある場合は協議した上でカリキュラムを更新していくといった感じです。
毎年、小さい更新はあるのですが、最近かなり大きな更新がありました。
なるほど、今回の大きな更新の背景にはコロナの影響もあったのでしょうか?
それもありますね。
アメリカではパーソナルトレーニングがコロナの前から広まってましたし、日本の方でもだいぶ広がりが出てきたタイミングでもありました。
どのような要素をカリキュラムに追加したのか可能な範囲で教えて頂くことは可能ですか?
心理的な部分を追加しました。
また、パーソナルトレーニングを受けるの人たちの層が広がってきたので、様々な生活スタイルのお客様に合うプログラムを準備できるプログラムデザインという項目をかなり掘り下げて広く深く追加しました。
そうなのですね!日本におけるNESTA-PFTの近年の取得者は増えているのでしょうか?
毎年かなり増えています。
業界で見るとフィットネスクラブの数は増えていないのですが、パーソナルトレーニングを受ける人が増えてきていることが要因としてあると思っています。
また、これまでトレーナーはフィットネスクラブと契約して活動する方が多かったのですが、昨今はパーソナルジムと契約したり個人事業主として独立するトレーナーが増えていることも影響していそうです。
個の知識、技術の証明という意味でも資格取得の需要も高まってきていそうですね。
NESTA-PFT認定試験を受ける前にゼミコースと、WEBコースの受講が必要だと思いますが、どちらのコースが受講者数が多いのか、またどちらのコースを受けるか迷っている方へ向けてどのように選択をすれば良いのか基準を教えて下さい。
ゼミコース
NESTAが用意する4日間(32時間)の座学講座終了後に、認定試験を受験するコース
コース受験料 | 105,600円(税込) |
---|---|
教材費 | 14,960円(税込) |
事前講習受講料 | 16,500円(税込) |
認定試験受験料 | 8,250円(税込) |
受験登録合格後資格登録料 | 40,040円(税込) |
合計 | 185,350円(税込) |
WEBコース
Eメールを使った通信教育方式にて学習し、全章修了後に認定試験を受験するコース
コース受講料 | 38,500円(税込) |
---|---|
教材費 | 14,960円(税込) |
事前講習受講料 | 16,500円(税込) |
認定試験受験料 | 8,250円(税込) |
受験登録合格後資格登録料 | 40,040円(税込) |
合計 | 118,250円(税込) |
両方のコース共、多くの方にご利用いただいております。
もちろん理想はゼミコースで直接学んでいただけるコースですが、多忙な方や距離的な問題等で通うのが難しい方向けにWEBコースはありますのでライフスタイルにあわせてご選択下さい。
NESTA以外にも様々な資格がありますが、「取得する資格は1つ以上の方が良いのか」ということや、「何を基準に取得する資格を決めれば良いのか」ということを迷っている方が多くいると思うのですが、どうでしょうか?
パーソナルトレーナーの資格は大きく分けると「NESTA」「NSCA」「アスレチックトレーナー」に分けられるのですが、自分が活躍したいフィールドから取得する資格を選ぶと良いですよ。
アスリートや運動をやっている人向けに指導をしたい場合は、ストレングスとコンディショニングを学ぶことができる「NSCA」を。
怪我のリハビリや医療的でサポートをしたい場合は、「アスレチックトレーナー」を選ぶことをおすすめします。
なるほど、NESTAはどのようなフィールドで活躍したい方がとるべき資格でしょうか?
NESTAは、一般の子供からお年寄りまで幅広く運動指導やボディメイク指導をしたい、幅広いフィールドで活動したいという方におすすめです。
いきなりスポーツチームと契約したり、アスリートを指導することはできないので、まずは一般の人を通して色々な経験を積む、その上でアスレチックトレーナーやNSCAも取得していくのは良いのではないでしょうか。
NESTAを取得した上で、自分のトレーナーとしての方向性が見えてきたら追加で資格を取得していっても良いのではないかと思います。
NESTA-PFT資格はどのような方に受験されていますか?
もちろんトレーナーを目指す方も多いですが、実は職業関係なく人気を集めています。
例えば自分自身のボディメイクをしたい方、高齢者で老後をもっと健康的に過ごしたいという方、小さいお子様のいる親御様、企業人事の方など・・。
運動指導だけでなく、幅広い健康の知識を付けられるという認識があるのだと思います。
より専門知識を付けられるNESTAのスペシャリスト資格とは?
ここまでNESTA-PFT資格についてお伺いしてきました。
続いて、NESTAにはNESTA-PFT以外にもスペシャリスト資格という資格を発行していると思うのですが、詳しく教えてもらっても良いでしょうか?
スペシャリスト資格とは、一つの分野に対してより専門特化した知識を付けたということを証明できる資格です。
NESTA-PFTは、まんべんなく広く網羅するような領域で学ぶのですが、最近パーソナルトレーナが増えたことでシニア特化や女性専用など様々なニーズがあるので、スペシャリスト資格はそこをもう少し深堀れるような資格として10年ほど前につくられました。
例えば子供を指導するために役立つ「キッズコーディネーション」、より深い解剖学の知識を身につけられる「ファンクショナルアナトミー資格」、水泳の指導に使える「スイミングコンディショニングスペシャリスト」など、約30種類の専門資格があり、1つの分野を16時間でみっちり習熟することができます。
なるほど、基本的な知識+αで知識を付けられるのがスペシャリスト資格なのですね!
そうですね。
例えばNESTA-PFTを取ってトレーナーとしての知識がある上で、コーディネーショントレーニングと発育発達理論を深く理解できるスペシャリスト資格を受ければ、トレーナーのベースもある上に子供に対する指導知識と基礎+専門特化というかたちでの活動が可能で、その専門知識を証明できるものになります。
数あるスペシャリスト資格の中で、取得者数が多い資格上位3つを教えて下さい!
「キッズコーディネーション、ボディメイクスペシャリスト、ニュートリション」この3つが取得が人気ですね!
上記のスペシャリスト資格はどのような方が取得していますか?
トレーナーを目指している方ばかり受けられるのではなく自分自身がボディメイクしたい方や、小さなお子様のいらっしゃる親御様が取得したりと様々な方が取得しています。
スペシャリスト資格は「他のトレーナーよりもプラスでなにか特化した部分がある!」と個の力を証明することができるのですね。
まとめ
第1章ではNESTA創設の背景やNESTA-PFT資格、スペシャリスト資格について詳しく教えてもらいました!
今までNESTAについて知らなかった方も概要を理解できたのではないでしょうか?
次回、第2章ではスペシャリスト資格の中でも解剖学の専門性を高められるファンクショナルアカデミー資格について詳しく聞いていきます!
あわせて読みたいスキルアップに最重要!?解剖学の知識を深められるNESTAのファンクショナルアナトミー資格とは齊藤さんインタビュー第二部! 前回の記事では、NESTAJAPANのに副代表である齊藤さんにNESTAの創設の歴史や資格について詳しく