コンパウンド種目とは?アイソレーション種目の違いやおすすめのトレーニングメニューを紹介!

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筋トレを始めたばかりの人はコンパウンド種目とはなにか気になっている人は多いのではないでしょうか。
コンパウンド種目を知り、正しい鍛え方でトレーニングをすることで何倍も効率よくトレーニングをすることができます。
そこで、本記事ではコンパウンド種目とはなにか、トレーニング方法を詳しく解説してきます。
効率のよいトレーニング方法も示しているので、本記事でコンパウンド種目をマスターしましょう。

コンパウンド種目とは


コンパウンド種目とは、複数の関節や筋肉群を同時に使用する複合的な運動を指します。
効率的な筋力増強と機能的な体の動きの改善に非常に効果的で複数の筋肉群を同時に刺激するため、短時間で全身的なトレーニング効果が得られます。
具体的な例として、ベンチプレスやスクワット、デッドリフトなどがコンパウンド種目に当たります。

コンパウンド種目 鍛えられる筋肉
ベンチプレス 胸筋、大胸筋、三角筋、上腕三頭筋
スクワット 大腿四頭筋、ハムストリングス、臀筋
デッドリフト 広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋、大臀筋、ハムストリングス

コンパウンド種目とアイソレーション種目の違い


筋肉を鍛えるトレーニングは主にコンパウンド種目とアイソレーション種目に分かれますが、それぞれで得られる効果は全く異なります。
2つの違いを抑えて、効率よく筋肉を鍛えましょう。

動かす関節の数が異なる

コンパウンド種目とアイソレーション種目の主な違いの一つは、動かす関節の数です。
関節の数が異なることで、運動の複雑さや全身への影響が変わり、トレーニング効果や適用場面に違いが生じます。
コンパウンド種目の例であるデッドリフトでは、足首、膝、股関節、脊柱の複数の関節が同時に動くのに対して、アイソレーション種目のバイセップカールでは、主に肘関節のみが動きます。

刺激を与える筋肉の数が異なる

コンパウンド種目とアイソレーション種目は刺激を与える筋肉の数が大きく異なります。
例を出すと、コンパウンド種目の代表例であるベンチプレスでは、大胸筋を中心に、三角筋前部、上腕三頭筋など複数の筋群が同時に働く一方、アイソレーション種目のダンベルフライでは、主に大胸筋にフォーカスした刺激を与えます。

コンパウンド種目は多くの筋肉群を同時に刺激するため、全身的な筋力向上や代謝の促進に効果的で短時間で効率的なトレーニングを行いたい競技者や、全身的な筋力バランスの改善を目指す一般トレーニー向けです。
一方、アイソレーション種目は特定の筋肉に集中的に刺激を与えるため、その筋肉の選択的な強化や形状の改善に適しており、特定部位の弱点克服や、ボディビルディングのような見た目の筋肉の造形を重視する場合に効果的です。

トレタン編集部 山本
トレタン編集部 山本

トレーニングをするのが初めての方やダイエット目的で運動を始めた初心者は、コンパウンド種目を取り組むことで効率的に身体を鍛えることができます。

コンパウンド種目のメリット


コンパウンド種目には大きく分けて3つのメリットが挙げられます。

筋力を効率よく強化

コンパウンド種目は複数の関節と筋肉群を同時に動かすため、短時間で効率的に筋力を強化できます。
例えば、スクワットやデッドリフトは脚、背中、腹筋など多くの筋肉を同時に鍛えることができ、全身のバランスを向上させます。
このように、時間を有効に使いながら効果的にトレーニングができるのがコンパウンド種目の大きなメリットの1つです。

大幅な筋力アップも可能

コンパウンド種目は大胸筋や大臀筋、広背筋など身体の中でも筋肉の割合が大きいとされる筋肉を主動筋として用いるため、大幅な筋力アップが可能です。
また、これらの筋肉は重い重量を扱えることができるため、他の部位よりも筋肉に負担をかけることが可能で中には体重の1.5倍から3倍程度の重量を扱える人もいます。
実際に、「Sports Medicine」誌の2024年のメタ分析では、コンパウンド種目を中心としたトレーニングプログラムが、12週間で平均20-30%の筋力向上を示したことが報告されています。

コア(体感)が鍛えられる

多くのコンパウンド種目では、重量を支えたり動作を安定させたりするためにコア(体幹)の筋肉が重要な役割を果たします。
立位で行うコンパウンド種目では、重量を支えながら姿勢を維持するために、腹筋群や背筋群などのコア筋群が常に活動しています。
また、オーバーヘッドプレスのような上半身の種目でも、安定性を保つためにコアが重要な役割を果たします。
「Journal of Strength and Conditioning Research」の2023年の研究では、12週間のコンパウンド種目中心のトレーニングプログラムにより、参加者のコア筋力が平均15%向上したことが報告されています。

トレタン編集部 山本
トレタン編集部 山本

効率よくボディメイクを取り組みたい人はコンパウンド種目から取り組むことをおすすめします。

初心者向け!コンパウンド種目のおすすめメニュー

トレーニングはマシン、ダンベルを使用した2種類のトレーニングに分けることができます。
今回、それぞれでおすすめのコンパウンド種目のトレーニングを紹介していきます。

マシンを使用したメニュー

ベンチプレス

ベンチプレスは、胸、肩、腕を同時に鍛えることができるコンパウンド種目です。
特に胸筋の発達に効果的で、初心者でも取り組みやすい種目でバーベル、もしくはスミスマシンを使用することで、安全に重い重量を扱うことができ、フォームの安定にも寄与します

効果を出すためのベンチプレスのポイント

①ベンチに仰向けに寝て、目がバーの真下にくるように位置を調整
②肩幅よりやや広めの位置で親指でバーを包み込むように握る
③足をしっかりと床につけ、安定した姿勢を保つ
④バーを外して胸の上まで持ってくる。肘は約45度の角度
⑤バーを胸の下部に向かってゆっくりと下ろしこの時、肘が体から離れすぎないように注意する
⑥胸の力を使って、真上にバーを押し上げ、肘を完全に伸ばし切らないようにする
⑦バーを下ろす時に息を吸い、押し上げる時に息を吐く

スクワット

スクワットは下半身の代表的なコンパウンド種目で、全身の筋力向上に非常に効果的です。
大腿四頭筋、ハムストリングス、臀筋などの大きな筋群を同時に使用し、さらにコア(体幹)の安定性も必要とするため、全身的な筋力向上と機能的な動きの改善に繋がります。
代謝の向上や体脂肪の減少にも有効とされています。

効果を出すためのベンチプレスのポイント

①足を肩幅程度に開き、つま先は少し外側に向ける
②バーベルを使用する場合、僧帽筋の上部に乗せる
③腰を後ろに引くようにしながら、膝を曲げる
④胸を張り、背中をまっすぐに保つ
⑤膝がつま先の方向を向ける
⑥大腿部が床と平行になるまで、もしくは快適に行える深さまで下がる
⑦かかとで床を押すイメージで、腰と膝を同時に伸ばす
⑧胸を張ったまま、上体を起こす
⑨下がる時に息を吸い、上がる時に息を吐く

ヒップスラスト

ヒップスラストは、お尻と脚の筋肉を同時に鍛えるコンパウンド種目です。
股関節の伸展動作を通じて臀筋を直接的に刺激するだけでなく、ハムストリングスや大腿四頭筋も同時に活性化させるため、下半身全体の筋力向上に寄与します。

効果を出すためのキックバックのポイント

①背中を低いベンチや台に寄りかかり、膝を曲げて足を床につける
②バーベルを腰の上に乗せ、両手で安定させる
③かかとで床を押し、臀部を持ち上げる
④腰が肩と膝を結ぶ直線上に来たところで一瞬停止し、臀筋を強く収縮させる
⑤ゆっくりと元の位置に戻す

ダンベルを使用したメニュー

続いてダンベルを使用したおすすめのコンパウンド種目を解説していきます。

ダンベルショルダープレス

ダンベルショルダープレスは、上半身、特に肩周りのフロント部分を鍛える効果的なコンパウンド種目です。
ショルダープレスにはバーベルを使用したミリタリープレスやバックプレスもありますが、ダンベルを使用することで、左右の筋肉をバランスよく鍛えることができるため、初心者でも取り組みやすい種目です。
また、安定性を高めるためのコア筋も同時に鍛えられるメリットもあります。

効果を出すためのダンベルショルダープレスのポイント

①開始姿勢:適切な重量選択:8-12回程度で疲労を感じる重量から始める
②フォームの維持:背中をまっすぐに保ち、腰が反らないようにする
③動作の範囲:肩の柔軟性に合わせて、無理のない範囲で行う

ダンベルデッドリフト

ダンベルデッドリフトは、背中、腰、脚の筋肉を強化するための効果的なコンパウンド種目です。
ハムストリングス、臀筋、背筋など、身体の大きな筋群を同時に使用するため、全身的な筋力向上と機能的な動きの改善に繋がります。
ダンベルを使用することで、自由度の高い動きを実現し、フォームの修正が容易で初心者にとっても、正しいフォームを学びながら安全に行える種目です。

効果を出すためのダンベルショルダープレスのポイント

①足を肩幅程度に開き、つま先は少し外側に向ける
②ダンベルを足の外側に置く
③膝を軽く曲げ、上体を前傾させる
④背中をまっすぐに保ちながら、ダンベルをしっかりと握る
⑤足で床を押すイメージで、ダンベルを持ち上げる
⑥膝と腰を同時に伸ばす
⑦背中はまっすぐに保ち、肩甲骨を後ろに絞るイメージを持る
⑧完全に立ち上がったら、臀部を少し前に押し出す
⑨腰を後ろに引くようにしながら、膝を曲げていきます。
⑩背中はまっすぐに保ったまま、ダンベルを床に戻す
⑪持ち上げる時に息を吐き、下ろす時に吸う

初心者向け!アイソレーション種目のおすすめメニュー

サイドレイズ

サイドレイズは、三角筋(特に中部)を集中的に鍛えるアイソレーション種目です。
動作はゆっくりと行い、肩の筋肉を意識しながら元の位置に戻すことで肩の横の張り出しの部分が出るようになります。
また、上腕二頭筋や僧帽筋の過度な関与を避けるため、肘を軽く曲げた状態を維持し、肩甲骨を安定させることが重要です。

効果を出すためのサイドレイズのポイント

①足を肩幅程度に開き、つま先は少し外側に向ける
②ダンベルを足の外側に置く
③膝を軽く曲げ、上体を前傾させる
④背中をまっすぐに保ちながら、ダンベルをしっかりと握る
⑤足で床を押すイメージで、ダンベルを持ち上げる
⑥膝と腰を同時に伸ばす
⑦背中はまっすぐに保ち、肩甲骨を後ろに絞るイメージを持る
⑧完全に立ち上がったら、臀部を少し前に押し出す
⑨腰を後ろに引くようにしながら、膝を曲げていきます。
⑩背中はまっすぐに保ったまま、ダンベルを床に戻す
⑪持ち上げる時に息を吐き、下ろす時に吸う

キックバック

キックバックは、上腕三頭筋を強化するためのアイソレーション種目です。
肘関節の伸展動作を通じて上腕三頭筋を直接的に刺激するため、腕の後面の筋肉を効率的に発達させることができます。
上腕を体側に固定し続けることで負荷が抜けにくく、上腕三頭筋にのみ負荷を与え続けられるのです。

効果を出すためのキックバックのポイント

①ベンチに片膝をつき、同じ側の手でベンチを支える
②反対の手にダンベルを持ち、上腕を体側に固定する
③肘を90度に曲げた状態から、ゆっくりとダンベルを後方に押し出す
④腕が完全に伸びたところで一瞬停止し、ゆっくりと元の位置に戻す

問題集!コンパウンド種目に関するQ&A


現在、NSCA対策講座「トレタン」ではプライメトリクス含む運動・トレーニングに関する問題を提供しております。
今回、問題の一部を出題するので、ぜひ回答してみてください。

問1:コンパウンドセットの例として正しいのは次のいずれか

A:レッグエクステンションとレッグカール
B:チェストフライとチェストプレス
C:ショルダープレスとチェストプレス

問2:相反して働く拮抗筋群を動員する2種目のエクササイズを続けて行う配列法は次のうちいずれか

A:スーパーセット
B:ドロップセット
C:コンパウンドセット

問3:次の下半身のエクササイズのうち単関節エクササイズはどれか?

A:ブロンドスクワット
B:レッグエクステンション
C:フォワードランジ

問4:筋肥大のためのトレーニングに用いる休息時間の範囲はどれか?

A:30~90秒
B:2~3分
C:4~6分

トレタン編集部 山本
トレタン編集部 山本

回答はこちらです!

問1:C チェストフライとチェストプレス

問2:A スーパーセット

問3:B レッグエクステンション

問4:B 2~3分

トレタン編集部 山本
トレタン編集部 山本

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効率よく筋肉を鍛えたいのであれば資格勉強がおすすめ

コンパウンド種目を調べている方は筋肉を効率よく鍛えたい、筋肉を大きくしたいという目的がほとんどだと思います。
ボディメイクをしていくうえで、トレーニングをするのはもちろんのこと、正しい知識を正しく使う、ということも大事なポイントです。
「トレタン」ではNSCAという多くのパーソナルトレーナーが所有する資格を効率的に学ぶことができます。
効率よくボディメイクをしていくためにも、正しくインプットする機会を設けることもおすすめです。

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この記事を書いた人

トレタンチーフ学習アドバイザー

赤堀 拓

Takumi Akahori

トレタン学習サポートの責任者。
静岡県立大学大学院で運動生理学を専攻し、国家資格である管理栄養士資格を所有。ダイエットクリニックにて食事指導の経験もを持つ。
現在はトレタンの学習サポートをする傍ら、パーソナルジムのマーケティング支援等も行っており、パーソナルトレーニング業界において広く深い知見を持っている。趣味はトレーニングと大食い。