整体師になるには?国家資格・民間資格の種類やその後のキャリアは?

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整体師は身体のサポートや怪我のリハビリを行う職業で、活動するには専門的な知識や資格が求められます。
本記事では整体師に必要な資格の種類や難易度を紹介します。
整体師になるために必要な資格を知り、今日から資格取得に向けた勉強に取り組みましょう。

整体師とは


整体師とは手や指を使った施術で関節や骨格の歪みを改善させる職業です。
身体の不調や痛みを患者から細かくヒアリングした上で、それぞれの症状ごとに適した施術を行います。
身体の痛みとしてよく挙げられる肩こりや腰痛は病院ではケガとして診断されないことが多く、医者から満足のいく治療をしてもらえないことがあります。
そのため、症状が軽くても真摯に身体の痛みと向き合ってくれる整体師は患者にとって貴重な存在です。

整体師に資格はいる、いらない?


資格がなくとも整体師として働くことは可能です。
求人ボックスやindeedなどの求人媒体で未経験OKとしている整体院やサロンは多く存在します。
ただ、資格を持っていることで「施術の幅が広がる」、「就職が有利になる」など取得しておくメリットは大きいです。
整体師の資格は国家資格と民間資格の2種類に分かれ、資格内容と資格難易度もそれぞれ異なります。

整体師の国家資格の種類

整体師の国家資格は「柔道整復師」「あん摩マッサージ指圧師」、「はり師・きゅう師(鍼灸師)」の3つに分かれます。

柔道整復師

柔道整復師は、骨折・脱臼・捻挫などのケガに対し治療が許可されている国家資格です。
医師以外では骨折・脱臼の整復固定が許可されている日本唯一の医療系国家資格となっています。
手術や薬の投与は行わず、電気治療やテーピングなど人間が本来持つ自然治癒力を使って患者の回復を目指します。
柔道整復師の需要は高い傾向にあり、柔道整復師の資格を取るためだけの専門学校もあります。
資格取得には解剖学や生理学の知識が実務で活かせる程の高いレベルで求められ、2021年の合格率は66%と整体師の国家資格の中でも難解とされています。

あん摩マッサージ指圧師

あん摩とは古代中国で誕生した器具を一切使用しない伝統的な施術方法で、あん摩マッサージ指圧師は「あん摩」「マッサージ」「指圧」の3つの技術を駆使して、患者の体調を改善させる資格を指します。
身体の不調が起こっている原因を突き止め、お客様の身体になでる・揉む・押す・叩く・さする動作を行い、身体を改善させます。
資格取得には文部科学大臣または厚生労働大臣の指定する学校・養成施設で3年以上、東洋医学や臨床医学の授業を受講しなければいけません。
合格率は80%と国家資格の中では比較的合格しやすい資格でもあります。

はり師・きゅう師(鍼灸師)

はり師・きゅう師(鍼灸師)とは、症状に合わせて対象部位のツボに鍼や灸を用いて健康回復が行う資格です。
皮膚感覚の1つである「イタミの感覚」を利用した療法で、体内のクスリとも呼ばれる人間の自然治癒力を高めることが目的です。
鍼で刺激を与えたり、灸で身体を温めると患部の改善や免疫力の向上がするなどの効果が期待できます。
文部科学大臣の認定した学校、厚生労働大臣又は都道府県知事認定の養成施設で3年以上はり・きゅうの実技を修得することが条件で資格取得率は70%とされています。

整体師の民間資格の種類

整体師の民間資格はそれぞれの団体や教会が発行しています。
資格内容に大きな差はなく、団体ごとでコンセプトや目的が異なることが特徴です。

一般社団法人 国際ホリスティックセラピー協会認定整体師


セラピー業界の発展や※ホリスティック医学の普及を目指している団体です。
整体に関する資格に加えてアロマやヨガ、トレーニングインストラクターなど身体活動に携わる資格を中心に発行しています。
整体師の資格を取得するには整体師養成コースに入る必要があり、座学と実技を合計78時間受けなければなりません。
※ホリスティック医学=精神・身体・環境が調和されている状態を目指す医学

MTC療術師協会


施術者に正しい施術方法を教え、プロの施術者を増やしたいという背景から立ち上げられた協会です。
オリンピック出場者やサッカー日本代表などプロスポーツ選手を相手にサポートするなど、豊富な実績を持っています。
厚生労働大臣指定・柔道整復師専門学校と提携しており、整体師取得のコースは約35万円から受講可能。
コース終了時の認定資格をクリアすることで整体師の資格が受けられます。

東日本療術師協会


「療術」の魅力を伝える活動を全国各地で行っている民間団体です。
東日本療術師協会認定団体で規定カリキュラムを受講することで整体師の資格を取得できます。
また、療術師、介護整体師など合計28の資格認定カリキュラムを用意しています。
整体師の資格取得に必要な費用は基本的なコースで95万円程度と民間資格発行団体の中では高めの料金設定ですが、就業や開業サポートも行っていることが東日本療術師協会の特徴でもあります。

日本セラピスト認定協会


身体や心の負担がない社会の創造を目的としセラピスト活動や整体師の普及をおこなっている協会です。
整体師の資格は検定員、教職員、準教職員、1級免許、2級免許、3級免許と6つのレベルに分かれています。
2級免許以上の資格は実務経験1年以上が必要で、検定員は整体師に必要な知識に加えて店舗を運営するビジネス力まで求められます。
3級免許の費用は12,000円で受けられるなど、比較的リーズナブルに民間整体資格を取得することが可能です。

整体師の資格を取得するための方法

大学・専門学校に通う

大学や専門学校は整体師のイロハを年間400万円で1から学べます。
医療や整形外科の知識を学び、2、3年次には現場実習を行います。
また、大学では整体師の授業に加えて一般教養を学ぶことができ、専門学校では必要な科目だけを集中して勉強することができます。
今後のキャリアを決めかねている方は大学に進学、整体師一本で勝負しようと考えている人は専門学校に通うことをオススメします。

ユーキャンで勉強する

ユーキャンは言わずと知れた資格取得に特化したサービスです。
今まで出題された過去問を徹底分析し、教科書と模擬試験を作成しているため、本番に近い形で勉強することができます。
また、通信で受けられ、部活や仕事が忙しくなかなか時間を確保できない人もいつでも勉強することができます。
ユーキャンは資格に必要な知識を身につけられるものの、実践的な指導力は身につきずらいとされています。
そのため、ユーキャンで勉強しながら整体院でアルバイトをして実務を積むという選択肢も1つの手段です。

スクールに通う

スクールは整体師の勉強に集中して取り組める上に期間も短いため、大学に比べてコストが抑えられます。
また、スクールによってはプロから完全マンツーマンで指導されることがあります。
教科書では身につかないお客様とのコミュニケーションの取り方など、本番で必要とされる能力をスクールでは1から身につけられるのです。

整体師の資格が役立つ職業・キャリア

介護施設

整体師の資格は介護施設にも活かすことができます。
介護施設の業務は高齢者への介護がメインですが、患者によってはマッサージを行うこともあります。
整体師の資格を取得していることで関節の痛み、腰痛、姿勢を改善させる取り組みが行えるのです。

病院

命や出血が伴う業務は行えませんが、病院でも勤務することが可能です。
骨折、脱臼、打撲、捻挫を取り扱う整形外科で働けます。
主に機能訓練や骨折からの整復、ギブスの作成及び装着、テーピングなどを業務として行い、医師の診察や処置などを間近で見ることができ、整体院などでは得られないプロ医療の知識を学べます。

エステサロン

身体の改善を目指す意味合いでエステサロンでも活躍することができます。
主にボディケアやフェイシャルケアなど全身から細部までマッサージを行います。
お客様の体質や肌の状態に応じて施術を行うため、身体の構造や循環器系などの役割を熟知している整体師の資格を活かすことはできるでしょう。

パーソナルトレーナー

意外かもしれませんが、整体師の資格はパーソナルトレーナーにも活かせます。
身体の構造や筋肉のつき方を知っていることで1人1人に適したトレーニングを提供することができるためです。
また、整体付きであったり美容マッサージがついているパーソナルジムもあるなど、整体師の資格を持っていることでパーソナルトレーナーとしてのキャリアが有利になることがあるのです。

資格取得すれば整体師としてのキャリアは広がる!

就職が有利に働く

整体師の資格を取得していると応募条件にクリアしたり、面接が進みやすくなったりと資格未保持者に比べて、就職が有利になるケースもあります。
さらに国家資格があれば、専門的な高い知識を持っている権威性や信頼性の証明にもなるので、民間資格に比べて応募できる範囲が広がるでしょう。

高い年収が提示される場合も

整体師の年収は373万円とされています。
資格を取得していると業務の幅が広がるため、自ずと年収が上がりやすいのはもちろん整体院によっては手当がつき、年収500万円を目指せるケースがあります。
また、国家資格を持っていることで整体を開業することができ経営がうまくいけば年収700万円以上を目指せる環境でもあるのです。

整体師以外のキャリアへ挑戦できる

前述の通り、整体師の資格取得は整体院や接骨院以外の職業でも活かせるのです。
自分の手で人の身体をサポートできる職業全般に取り組めると言っても過言ではなく、場合によってはプロ選手の遠征に同伴してサポートすることもあります。

まとめ


本記事では整体師に必要な資格や種類について解説しました。
資格には国家資格と民間資格に分かれ、それぞれ難易度も異なります。
国家資格を取得していることで行える業務の幅が広がりますが、民間資格も取得しておいて損はありません。
患者に「癒し」や「身体の改善」を提供して、身体を向上させるためにも必ず整体師の資格は取得しましょう。


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この記事を書いた人

トレタンチーフ学習アドバイザー

赤堀 拓

Takumi Akahori

トレタン学習サポートの責任者。
静岡県立大学大学院で運動生理学を専攻し、国家資格である管理栄養士資格を所有。ダイエットクリニックにて食事指導の経験もを持つ。
現在はトレタンの学習サポートをする傍ら、パーソナルジムのマーケティング支援等も行っており、パーソナルトレーニング業界において広く深い知見を持っている。趣味はトレーニングと大食い。